前回の記事では、どうして新郎・新婦が“Instagram”を活用するのかについて、「発信」・「受信」の両面で紐解いてみました。
今日は、それをベースに、ウエディングの式場が公式Instagramを運用する際の、リアルな運用方法について書いてみたいと思います。
ポイントは、一概に「新郎・新婦」といっても、式場検討中の花嫁(便宜上“花嫁”とさせていただきます)なのか、それとも、式場が決定している花嫁なのか、それとも結婚式を終えた花嫁なのか、どの立場の花嫁かによって、求める情報も、情報への出会い方もまったく違うという点です。
このことを踏まえて結論からお伝えすると、花嫁を一色淡にして1つのアカウントを運用するよりも、いくつかのアカウントを運用することが必要です。
それを実感していただくために、様々な立場の花嫁がどんな風に情報と出会い、どんな情報を求めているのかご紹介したいと思います。
▼目次▼
花嫁予備軍(潜在層)
【状況】
まだ結婚が決まっていない、お付き合いしている人がいて婚約間近
【ウエディングのコンテンツに出会う可能性】
・〈フォローしている友人〉のアカウントで結婚式の写真に出会う。
・結婚を意識している花嫁が〈#結婚式、#ウェディングなどのビックワード〉で探す。
【式場が公式アカウントでこの花嫁に届けたい写真・目的】
・式場の認知・憧れ喚起につながるイメージ写真(広告宣伝用写真)
【式場がすべき工夫】
・自社で結婚式を挙げた卒花に個人のアカウントで情報発信をしてもらうようにする。
・エリア関係のハッシュタグやビックワードをハッシュタグでつける。(ホテルの場合はホテル公式アカウントで情報発信もオススメ)
プレ花嫁(顕在層)
【状況】
結婚が決まり、結婚式を検討している。
媒体・HPで候補式場を決め、その後Instagramもチェック。(口コミやホンモノの写真が見たい・どんな花嫁に選ばれているのか知りたい)
【ウエディングのコンテンツに出会い方】
・〈候補式場ホームページのリンクボタン等〉で式場公式アカウントに流入
・〈式場名や式場名+花嫁のハッシュタグ〉で、公式アカウントやプレ花・卒花の投稿を見る
【式場が公式アカウントでこの花嫁に届けたい写真・目的】
来館促進・会場決定の後押しを目的とし、
・広告写真とは違ったリアルなカップルの写真(臨場感を表現・卒花嫁に対する共感)
・広告写真とは違った会場装飾や装花バリエーション
を見せる。
【式場がすべき工夫】
・他会場ではできない特徴的なシーンを切り取った写真をアップする。
・プレ花にも積極的に「身内」として情報発信してもらえるようにする。
(ハッシュタグ検索された時に表示されるプレ花発信の写真が、広告宣伝用写真と乖離しすぎていないか常にチェックする)
・語られる際のハッシュタグを統一しておく。
(特にホテル名が長い、呼び名が沢山ある、英語名のホテル、チェーンホテルがある場合は特に注意を払う)
成約者(健在層)
【状況】
・会場が決定し、流行しているものの情報や、ピンポイントなアイテムの情報が欲しい
・共通点のあるプレ花たちと積極的に情報交換したい
【ウエディングのコンテンツに出会い方】
・〈フォローした式場公式アカウント〉の閲覧
・〈アイテム名〉で検索し公式・ユーザー投稿関わらず情報収集
・〈ちーむ〇〇〉や〈〇〇花嫁〉でつながった花嫁の情報を閲覧
【式場が公式アカウントでこの花嫁に届けたい写真・目的】
・持込み防止につながるよう取り扱いアイテムの紹介
・お役立ち情報やHOW TOネタ、豆知識など
・当日に撮影したくなるスポット・お洒落ショットの紹介
【式場がすべき工夫】
・式場申込み~本格的な打合せが開始する式4か月前まで、成約者とつながること(相互フォロー)
・式場取り扱い商品の情報をふんだんに提供し、成約者にアイテム担当者含め商品やヒトに興味をもってもらう
卒花(ファン層)
【状況】
・式を終え、自分の素敵な写真や感じたことをシェアしたい。
【ウエディングの発信のされ方】
・満足度が極端に高い・低い場合に発信されやすく、多くの場合、式場のハッシュタグを付けて、自分の経験・写真をシェアされる
【式場がこの花嫁に、投稿してほしい写真・目的】
・リアルでポジティブな投稿は、プレ花嫁にとって信頼性が高いため、リアルなウエディング写真や打合せ期間のポジティブな話
【式場がすべき工夫】
・語られるにふさわしい、準備期間、結婚式本番のクオリティ確保と、語られる工夫
まとめ
これまで読んでいただいて、立場の違う花嫁への情報発信を一色淡にしてしまうことが、どれだけ価値・効果を薄れさせてしまうかお分かりいただけたと思います。
万人向けの情報は、極端に言えば、万人に刺さりません。
手間をかけてでも、それぞれの立場の花嫁に向けた情報を丁寧に発信することは、式場側の認知や持ち込み防止等の直接的なメリットにつながるだけでなく、式場のスタンスや働く人、大事にしていることといった発信を通して、ファンを作り上げていくことにつながっていくはずです。
ぜひ今回の記事を読んでいただき、共感いただける部分があれば、今一度SNSの運用方法を見直し、よりよい運用方法を見つけていただければ幸いです。