前回のブログで、SNSの全体像についてお話しましたが、今日はその中でも、ウエディングと親和性が高いと言われている「Instagram」に関する内容です。
よく「フォロワー数を増やすための〇〇」などという怪しいセミナー告知文なども見かけますが、
✅そもそも、「フォロワー数」を気にすることが、式場のInstagram運用にとって大事なのか?
✅そもそも、Instagramはどうして若者に人気と言われているのか?
✅そもそも、新郎新婦は式場の公式Instagramに何を求めているのか?
こういった質問に、自分なりの答えが見つけられていない方にはぜひ一度読んでいただき、今、自分たちがしていることが方向性として合っているのか再確認する機会になっていただければ嬉しいです。
▼目次▼
Instagramの特徴
国内の4大SNSといえば、前回も紹介したように、「LINE」「Twitter」「Instagram」「Facebook」ですが、MAU(Monthly Active Users:月間アクティブユーザー→1ヶ月の間に1回でも利用や活動のあった利用者数)は、
「LINE」 8,200 MAU
「Twitter」4,500 MAU
「Instagram」3,300 MAU
「Facebook」2,600 MAU
と言われています。
※参照元:2019年株式会社ガイアックス調べ( https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/ )
そして、多くの式場で公式アカウントを運用しているSNSはInstagramかと思いますが、Instagramは20代、30代の女性の利用率が最も高く、ウエディングの顧客の年齢層ともマッチし、憧れを彷彿させるウエディング写真が、ビジュアルをメインとするInstagramと相性が良い、という視点で運用されている式場が多いのではないでしょうか。
ただ、以前は、若い女性の、しかも感度が高い一部の人が利用するアプリである印象が強くありましたが、実は現在データを見てみると、10代~50代まで利用者の年齢層は幅広く、しかも男女比率に関しても、多くの年代で、女性60%、男性40%ほどとなり、今や老若男女問わず幅広い年代に使われているSNSであることを覚えておきましょう。
一般的なInstagramの使用理由
それでは、人はなぜInstagramを利用するのか、掘り下げて考えてみましょう。
まず、大きく2つに分けて考えます。
1つ目は、情報を発信するため。
2つ目は、情報を取得するためです。
さらに、もっと細かくみていきます。
【何のためにInstagramで「情報を発信する」のか】
1:Self Branding(私の価値観への承認欲求)
→その場所にいる「私」をアピール(ハッシュタグ例:#リフレッシュ、#癒し旅、#パワーチャージ)
→「私」のセンスをアピール(ハッシュタグ例:#お気に入り、#足元倶楽部、#サンダルコーデ)
→「私」の価値観をアピール(ハッシュタグ例:#親子コーデ、#親バカ部、#休日の過ごし方)
2:Share(面白いこと・楽しいことをシェアしたい)
→おもしろい体験をした(ハッシュタグ例:#ポカリガチダンス、#ギネス)
→友達と楽しんでいる(ハッシュタグ例:#いつメン、#SNOW、#お泊り)
→心揺さぶるモノ・コトに出会った(ハッシュタグ例:#風鈴、#川越氷川神社、#夏の終わり)
3:Report&Stock(近況や仕事のことをアップしたい)
→頑張ったことをアピール(ハッシュタグ例:#学園祭、#ラスト、#寂しい)
→人生の節目を報告したい(ハッシュタグ例:#ご報告、#私ごとですが、#入籍しました)
→ビジネスとしてアピールしたい(ハッシュタグ例:#おはようございます、#羽田空港、#出張)
【何のためにInstagramで「情報を取得する」のか】
1:情報「鮮度」の高さ(今の情報がタイムリーに手に入る)
2:情報の「信用」性(SEO対策などがされていないという信ぴょう性)
3:非言語ならではの手軽さ(処理に時間のかかる文字情報よりも、写真や動画なら目にした瞬間理解できる)
このあたりが一般的に言う、Instagramの利用理由かと思います。
ウエディングにおけるInstagramの使用理由
ベースは先ほど伝えたことと同じですが、ウエディングにおけるInstagramの使用理由について、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。
【何のためにInstagramで「情報を発信する」のか】
1:Self Branding
→この場所でこんなドレスを着て、こんなポージングをする私のセンスをアピール
→この式場・このドレス・このパートナーを選んだ私の価値観をアピール
2:Report&Stock&Share
→(プレ花)結婚式当日までの記録をせっかくだから残しておきたい。誰か同じ境遇の人とつながりたい。プレ花の役に立ちたい。
→(卒花)記録として自分の素晴らしい1日を残しておきたい。プレ花の役に立ちたい。
【何のためにInstagramで「情報を取得する」のか】
1:情報「鮮度」
→今、流行っているモノを知りたい。
2:情報の「信用」性
→式場が出す、広告的な写真や、コントロールされた口コミよりも、プレ花仲間や卒花さんから発信される“リアル”な情報が知りたい。
3:非言語ならではの手軽さ
→自分にマッチする商品・サービスが手軽に探せる。ハッシュタグを使えば、知りたいことがピンポイントで知ることができる。
こういったところではないでしょうか。
ここで、見方を変えると、式場が現在行っている情報発信は、顧客が「情報を取得する理由」に沿ったものになっているでしょうか。
多くの式場がいまだに、広告宣伝用の写真を投稿し、そこにフェアの告知文を貼り付けるスタイルで運用しています。
でも、そういった情報は、ウエディングメディアや式場のホームページにも掲載されているため、ユーザーとしては式場の公式Instagramを見る理由はないのではないでしょうか。
またもう1つの問題だと感じることは、多くの式場が「発信されること」「語られること」を怖がっていたり、煙たがっている現状です。
しかしご存じの通り、顧客が発信することを避けて通れない時代ですし、逆にそういったリアルな声は、今後ウエディングを検討している新郎新婦にとても響きやすい声だ、ということを忘れてはいけません。
そう考えると、お客様が“発信したい”と思えるような対応をし、環境を整えることで、お客様の発信によって、お客様がやってくる未来を目指すべきではないでしょうか。
まとめ
式場側が行うべき情報発信の具体的な方法は、また次回書きたいと思います。
これには、もっと「顧客」を細分化し、それぞれの求めていることに寄り添う必要があります。
また「情報を取得する」という面においても、この先行きの見えない不安に関して、憧れを彷彿するビジュアル中心のInstagramの中には、自分たちのモヤモヤを解決できる情報はない、と思っている新郎・新婦が多いのではないでしょうか。
今後、ウエディング業界における、SNSやInstagramの考え方、活用の仕方は、刻一刻と変化していくように思います。
だからこそ、現時点での効果的なInstagram活用について、きちんと考え方を理解し、その上で、時代や新郎・新婦の流れをみながら、随時、手段の微調整や場合によっては新しい方法の模索をしてみることが必要なのでは、と思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。