これまでのブログは、集客の考え方や手法について、記事にしてきましたが、今日は、私たちのお客様である新郎・新婦のこと、そしてこのコロナ時代を経て、おふたりの価値観や結婚式がどうなっていくのか、ということを書いてみたいと思います✏
▼目次▼
新郎・新婦が育ってきた環境を知る
今日は、新郎・新婦=現24歳~33歳(いわゆる「ゆとり世代」と言われる世代)とさせてください。
この世代に大きく影響を与えているものが3つあると私は思っています。
①「ゆとり教育」
2002年度から2011年度までの間の教育です。
授業時間が削減されたり、「個性尊重」が明確に打ち出されたり、相対評価(全体の中での評価)から絶対評価(学習目標の達成度)へ変更になりました。
その結果、
・弱みや課題を克服するよりも、強みや個性を伸ばすことを重要視する
・人と競わず調和を重んじる
という価値観が生まれました。
②長期間に及ぶ低迷経済社会
1992年頃:バブル景気の崩壊、2008年:リーマンショック、2011年:東日本大震災
と、ものごころがついて以降、右肩上がりを経験したことがない世代です。
その結果、
・高望みせず、堅実で、安定した生活を求める思考
・流行よりも自分らしさ、見栄よりも実用性に価値を感じる
若者が多い世の中になりました。
③スマホ・SNSの普及
1996年Yahoo!Japan営業を開始し、2000年にはgoogle日本語版ローンチしました。
さらに、2008年、iphone誕生、2009ドコモからアンドロイドが発売。
SNSで言うと、2008年facebook日本語版、Twitter日本上陸と続きます。
その結果、
・コミュニケーションがビジュアル化
・日々の行動をSNSで発信し、自分の価値観への共感を求める
という傾向が現れます。
全員が全員ではありません。
しかし、ここまで見てきただけでも、これまでの多くの結婚式のスタイル・商品・マーケット構造が、新郎・新婦世代の価値観とマッチしない部分が大きかったのでは?と感じるのではないでしょうか。
新型コロナウイルスが新郎・新婦にもたらしたもの
そんな中、2020年春「新型コロナウイルス」が大流行しました。
「外出自粛」「ソーシャルディスタンス」「マスク着用・手洗いうがいの徹底」は、多くの人が意識することとなり、
まわりの友人や親族の結婚式が、延期・中止になっていることを目の当たりにした若者も多かったことでしょう。
またこのたび政府が発表した「新しい生活様式の具体例」を見ると、
・食事は横並びに座り、大皿を避ける
・冠婚葬祭などでは大人数で会食をしない
とあり、これまで通りのスタイルの結婚式はこれからの時代難しくなることは確実です。
ここで、新型コロナウイルスの感染拡大が、これから結婚するおふたりにもたらしたものを3つにまとめてみます。
①これまでの「結婚式スタイル」を「難しいもの」とさせた
特に大人数での結婚式は、世の中にとって歓迎されない、という意識を作り上げた
②これまでの「結婚式規約」は「恐ろしいもの」とさせた
いつまたこういった状況になるのか分からない中、多額の「キャンセル料」を請求される結婚式なんて恐ろしい、という意識を作り上げた
③これまでの「結婚式費用」は「あり得ないもの」とさせた
多くの企業や働けなくなった人が悲鳴をあげ続ける様子を目の当たりにし、何百万かける結婚式に価値を感じる人を激減させた
戻ってくるもの、戻ってこないもの、新しく生まれたもの
新型コロナウイルスは、私たちの生活を劇的に変化させています。
これは、一過性のものではなく、アフターコロナ時代でも、新しく生まれたモノ・考え方は残っていくでしょう。
例えばレストランは、その「空間」で食事を楽しむことに価値を感じている人も多いため、アフターコロナ時代になっても、おそらくお客様はある程度戻ると予想できます。
ただ、お客様側から見れば、テイクアウトや宅配の需要も残るでしょうし、お店としても、そこで売り上げを確保する選択肢が残るでしょう。
さらに、食事チケットを前売りすることで、キャッシュを確保する、といったビジネススタイルも残ると思います。
では、ウエディングに置き換えてみましょう。
戻ってくるもの
少人数でのウエディング・家族婚・フォトウェディング・海外挙式
戻ってこないもの
大人数ウエディング・ブッフェスタイルのウエディング・ご祝儀制ウエディング・高額ウエディング・1年以上前から予約をするスタイル
新しく生まれたもの
オンライン結婚式
つまり、わたしたち業界は、今をじっと耐え忍んでいても、厳しいということですね。
新しいスタイルを「開発」するか、もしくは、規模を「縮小」したものを狙うか、どちらかではないでしょうか。
今、すべきこと
コロナ禍の業界は、ただ「じっと耐える」「待つ」状態でした。
それは、大手媒体の新しいCMでもそのことがうかがえました。
でも、“幸せが動き出したら” 訪れる景色は間違いなく、今まで通りの景色ではありませんでした。
コロナ後「オンライン接客」ができる体制を整えている式場も多いと思います。
・システムは何を使うのか
・オンライン接客で必要なツールは何か
・オンライン接客は何をゴールにするか
・そのためにどれくらいの時間で、どういった接客をするのか
考えている式場と考えていない式場では、後々、雲泥の差があらわれることは間違いありません。
さらに言えば、不安定・不確実・複雑・曖昧な時代に求められるのは、
「とりあえずやってみる」ことかもしれません。
綿密に計画を練り上げてそこからトライするよりも、“計画的な行きあたりばったり”くらいの感覚でやってみたほうが絶対に良いと思います。
やってみて分かることも多いですし、今、この時代ですから、やってみて“不完全さ”であっても、お客様から強く責められることはないでしょう。
そして、やってみた会場と、やってみなかった会場とでは、これまた雲泥の差があらわれると思います。
最後に、「オンライン接客」で紹介する、自社の「結婚式」を真剣に考えることが欠かせないでしょう。
一体、どんな結婚式なら、
結婚するふたりが行いたい、と思うのか。まわりも賛成してくれるのか。自社のスタッフも胸を張ってオススメできるのか。
変えるべきことは、価格なのか、規約なのか、スタイルなのか、それはどうすれば叶えることができるのか。
考えて、考えて、考え尽くして、一歩前に足を踏み出してみることが、今私たちのすべきことだと思います。
まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの価値観に様々な「変化」をもたらしました。
でも、よく考えてみると、
業界で働く人の多くが違和感をもっていながら、やめられなかった、不毛な戦いが、この時代に強制的に終わりを迎えるかもしれません。
設備投資競争も、実現不可能なPR写真競争も、雑誌上のページ数競争も、成約割引競争も、媒体のキャッシュバックキャンペーン競争も。
新郎新婦の立場に、いかに寄り添い、商品を提案できるか。
どうおふたりに向き合えるか、で勝負がつく、ある意味、私たちが求めていた新時代の幕開けと言えるように、「耐えず」に変化していってほしい、そう願ってます。